2016年11月02日

中日:生活、観光、環境に影響は… リニア南アトンネル工事着工


 大鹿村大河原で一日に執り行われたリニア中央新幹線南アルプストンネル新設(長野工区)工事の起工式には、JR東海と県、大鹿村をはじめ下伊那地域の町村や飯田市など周辺の自治体が参加した。阿部守一知事は「大きな一歩」と着工を喜んだ。

 本工事で建設するのは、長野、静岡、山梨の三県にわたる全長約二十五キロのトンネルのうち、大鹿村内の八・四キロ。村内の小渋川、除山、釜沢地区の三カ所の非常口からそれぞれ工事を始め、リニアが通る本坑に掘り進める計画。火薬を爆発させて掘削し、土を運び出しては内側をアーチ形の鋼材やコンクリートで補強する工程を繰り返していくという。

 工事はこの日をもって着工。工事契約期間は今年二月から二〇二六年十一月の約十一年間としているが、予定通りに進めば掘削は二〇二四年に終了し、ガイドウェイの整備などを経て三年後には開業が見込める。
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 一方、長期間にわたる工事に対して住民は、さまざまな不安を抱えている。村の説明会では「子どもが通園、通学に使う道路をダンプが通るのは不安」「工事後に何か問題が起きたら、誰が責任を取るのか」など、日常生活への悪影響を懸念する声が相次いだほか、「工事用車両とすれ違う恐怖を感じた観光客が再び村に訪れるのか」など、観光業への打撃を危ぶむ声も上がっている。

 (リニア取材班)
◆解説 JR側は歩み寄りを

 県内初のリニア本線工事が着工した。起工式で、地元選出の代議士らの祝辞が次々と読み上げられる一方、式場の外からは「理解も同意もしていない」と訴える大鹿村民らの声が聞こえてきた。「ご理解いただきたい」と繰り返し、住民の要望に歩み寄ろうとしないJR東海に対する悲鳴のようにも聞こえた。

 大自然に囲まれた人口千人余ののどかな村にとっては、村外から大勢の作業員が毎日通勤してくるだけでも心的負担になる。ダンプカーなどの大型車両が、主要道を一日最大千七百台余も通ると言われればなおさらだ。

 土を運ぶトラックがまき散らす砂ぼこりも子どもを持つ親たちにとって心配の種。保育所前を避けるルートが完成するまでは土を運ばないよう、説明会などで要望してきたが、JR東海は要望に応える姿勢を見せない。

 掘削によって出た土の処分地では、雨で崩れて川に流れ出す危険性も指摘されている。村には豪雨で大きな被害が出た一九六一年の「三六災害」の記憶が残る。不安解消は簡単ではない。

 「想定外」は許されない。禍根を残さないためには、JR東海が本当の「歩み寄り」をするしかない。そのためには県の仲介も必要だ。今後、関連工事が始まる周辺市町村の住民も注目している。納得のいく対応で、住民の不安を一つ一つ解消してほしい。

 (服部桃)

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信濃毎日:県・JR、定期的トップ会談 リニア長野工区着工


 
 JR東海が2027年の東京・品川―名古屋間開業を目指すリニア中央新幹線計画で、県内路線のトップを切って下伊那郡大鹿村の南アルプストンネル長野工区(8・4キロ)に着工した1日、阿部守一知事と同社の柘植(つげ)康英社長は、今後定期的に両者によるトップ会談の場を持つことを明らかにした。大鹿村で開いた同工区の安全祈願・起工式への出席後に公表した。

 リニア工事を巡っては、国連教育科学文化機関(ユネスコ)のエコパークに登録された南アに代表される村の豊かな自然や山あいの静かな生活への悪影響が懸念されている。工事着手を前に県が10月30日に村内で開いた村関係者との意見交換会での要望を踏まえ、阿部知事が1日の式の前に柘植社長に提案した。

 式後、阿部知事は、地域住民の懸念解消に向け「私と(柘植)社長とで定期的にお話をさせてほしいと相談をし、快く受け止めていただいた。地域がより発展し、大勢の方々の理解や協力が頂けるように取り組んでいきたい」とした。柘植社長も「意見交換の場を持つという提案をいただいた。地元にもいろんな影響があり、私どもの方から十分説明すべき点もある。そういう場を設けてもらえるのは大変ありがたい」と答えた。

 トップ会談について同社広報部は「まだ口頭で話をした段階。具体的な内容は今後(県側と)協議していきたい」とした。

 南アトンネルは全長25キロ。山梨、静岡、長野の3県にまたがり、長野工区は昨年12月の山梨県早川町側の工区(7・7キロ)に次いでの工事着手。静岡市の工区は業者の契約手続きが始まっていない。

(11月2日)
posted by リニア新幹線を考える登山者の会 at 20:56| Comment(0) | 報道 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

信濃毎日:リニア長野工区着工 南アトンネル、大鹿で起工式


JR東海は1日午前、2027年の東京・品川―名古屋間(約286キロ)開業を目指すリニア中央新幹線南アルプストンネル長野工区(8・4キロ)の安全祈願・起工式を長野県下伊那郡大鹿村で開いた。長野県内の路線52・9キロで工事が始まるのは初めて。信州の高速交通体系を激変させる可能性があるリニアが実現に向けて踏み出す。

 式は同村上蔵(わぞ)地区の作業用トンネル(斜坑)の坑口「小渋川非常口」前で開催した。JR東海の山田佳臣会長、柘植(つげ)康英社長、阿部守一知事、大鹿村の柳島貞康村長ら沿線地域の市町村長、同工区の工事に当たる共同企業体(JV)の大手ゼネコン鹿島(東京)、飛島建設(同)、フジタ(同)の役員ら約100人が出席。安全祈願式で山田会長らがくわ入れし、起工式で柘植社長らがあいさつした。

 最難関とされる南アトンネル(25キロ)の工事開始は昨年12月の山梨県早川町側に続く。長野県側から、南アの荒川東岳(悪沢岳、3141メートル)と小河内岳(2802メートル)の稜線(りょうせん)直下を貫く。柘植社長はあいさつで南アトンネル工事について「25キロにわたり、土の厚みは(国内最大の)1400メートルになる。これまでにないような大変難しい工事」と言及。鹿島を中心とするJVと共に「何をもっても安全に進めていきたい」とした。

 長野工区の作業用トンネルは、小渋川非常口と釜沢地区の2カ所の計3カ所あり、作業場を設ける準備工事を経て、年明けにも掘削を予定している。本坑(本線トンネル)掘削着手は2018年初め以降になる見込み。長野工区の掘削完了は24年度を目指す。南アトンネルのうち静岡市の工区は工事業者の契約手続きがまだ済んでいない。

 南アは国連教育科学文化機関(ユネスコ)のエコパークにも登録されており、大鹿村でのリニア工事を巡っては、自然環境への悪影響や山あいの住民生活にかかる大きな負担が懸念されている。1日も住民約50人が工事に反対を表明する横断幕を村内で掲げたほか、安全祈願・起工式の会場まで歩き抗議の声を上げた。

 県内が関連する工事では、飯田市と岐阜県中津川市を結ぶ中央アルプストンネル(23・3キロ)の山口工区(木曽郡南木曽町―中津川市、4・7キロ)と、大鹿村と下伊那郡豊丘村を結ぶ伊那山地トンネル(15・3キロ)の坂島工区(豊丘村、5・1キロ)で工事契約済み。JRは坂島工区について、来春に工事に着手したい考えだ。県内駅に関係する工事の着手は18年秋を予定している。

(11月1日)
posted by リニア新幹線を考える登山者の会 at 20:53| Comment(0) | 報道 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする