南アルプスを愛する登山者たちが「日本を代表する山脈をリニアで壊さないで」と訴える集会が5日、大鹿村で開かれた。県内をはじめ、愛知、静岡、東京、大阪などの都府県から55人が参加。リニア中央新幹線の工事が自然環境や景観に及ぼす影響を懸念する意見が相次いだ。 「リニア新幹線を考える登山者の会」(事務局・東京)の主催。メンバーの1人で、昨年、東京から大鹿村に移住したライターの宗像充さん(41)が「南アルプスは日本の登山史上で重要な位置を占めている。それがリニアで壊されようとしている」と開催の意義を説明した。 明治時代に日本アルプスの魅力を世界に知らせた英国人宣教師ウェストンが1892年に南アルプスの赤石岳に登頂した史実や山脈の魅力について、前大鹿村長の中川豊さん(81)らが解説。登山ルート周辺がリニア路線となることに懸念を示す活動報告や、意見の表明が相次いだ。
山田雄一 2017年8月6日03時00分