2016年05月02日

大鹿村道路工事説明会(その1)

質問の数

 2016年4月27日、大鹿村大河原でJR東海ほか事業者による、松川インター大鹿線の改良工事の説明会が開催された。JRの発表では参加者130人。1000人余の村にしては依然高率の参加である。事業者側はJRほか、中部電力、鹿島JV、それに長野県も参加し、主催者側だけで30人は超えている。

DSCN0277.JPG

 先日4月20日のリニア対策委員会のJRの報道への説明では、これまで3問とされてきた質問数の限定は設けないということだったのの、結局冒頭に司会は質問数を3問に制約。JR側の報道への説明では、この点について「連絡不足」とのことだった。

貼り出し掲示と「庁舎管理権」

 一方、発言については「大鹿村とその関係者」と対象を絞っていた。会場前ではこれまで同様、有志がリニア反対のチラシ配りや即席の路上パネル展を開催していた。

DSCN0267.JPG

JR東海側は今回、会場の大河原交流センターの入り口のガラス扉に、「大鹿村とその関係者」に参加者を限定する貼り紙、それに会場内での来場者の行動を制約するための但し書きを箇条書きにして貼り出した。

DSCN0276.JPG

後者は裁判所や官庁等で掲げられているような内容とほぼ同様だったが、会場を借りた主催者が、このようなこまごまとした貼り出しをする事例は、筆者は見たことがない。

DSCN0274.JPG

開場前に玄関先に出てきたJRの永田課長はこの掲示について「庁舎管理権がある」と強弁していた。会場を借りた一使用者が、会場の使用権だけでなく、庁舎管理権まで丸ごと譲り受けるということは通常考えられないので(ほかにいろんな店舗が入るビルの会議室の一使用者が1階玄関にこんな貼り紙を出すのはありえないので)、単にこの発言は勘違いだと思う。ただ、こういう貼り紙を出させる村の姿勢はJR同様、あまり住民を信用していないというのはわかる。

ちなみに沢田部長は、今回が貼り出しが初めてではないとのことだったので、過去の説明会の写真を見てみたところ、たしかに入口の自動扉の中扉に掲示物が見えた(中央部、字は不鮮明で不明)。

IMG_1491.JPG

今回の貼り紙は「もはや遠慮はいらない」ということだろう。一方で、「大鹿村関係者限定」という説明は今回初めてだった。JRの意図を善意で解釈すれば村の人によく説明したいということなのだろう。でもだったら、ありもしない「庁舎管理権」を盾に発言をけん制するのは余計だろうなとは思う。

既成事実とJRへの期待

 JRの説明は、先日20日の大鹿村リニア対策委員会でなされた説明に、そこでの委員から出た質問や意見を反映して肉付けしたものだ。
松川インター大鹿線の改良、釜沢に通じる赤石岳公園線の改良、村中心部の国道152号線を回避する代替ルートの路線等の工事用車輛の通過に伴う道路新設・改良、発生土の仮置き場とそれに伴う車両数の減少、水資源などの環境影響対策、村内への工事関係者の宿泊施設の建設と、それに伴う村内産物の利用、変電所計画、スケジュール、送電計画がその内容だ。これでだいたい1時間超。

 次に19人の住民が質問に立った。以前の説明会では全員の発言者が計画への不信や懸念、反対を表明していた回もあったが、今回は3人が肯定的な観点からの提案をした。一人は道路改良に伴い、松川インター大鹿線内でのラジオや携帯電話の電波状況を改善してほしいというもの、また現在の小渋線の状況を改善するためにセンターラインを引き、トンネルの証明を明るくしたらどうかというもの、それに200人の工事関係者が村に滞在するので、地域の産品を使うように具体的に示してほしいというものだった。

 こういった提案はラジオや携帯の要望のように、そもそもがJRの管轄ではなかったり、道路管理者の県も説明していたように、できるなら最初から実現していたものだったり、あるいは工事で村に金を落とさせるためにするもので、発言者も村のガソリンスタンドの経営者や商工関係者だった。もう来るものなんだから、現実を受け入れるべきだ、という言い方はまだみんなの前ではしにくいので、こういう言い方をして存在をアピールするのかもしれない。しかし、提案自体はむしろ「無理難題」と受け取られているように思えた。

対策委員会をお墨付きを与える場にしたい村の人

 この日最後に質問したリニア対策委員会の前島さんは、国の認可を受けているといっても、やるのはJR。JRは対策委員会で説明するだけ、対策委員会はJRにお墨付きを与える場ではないのだから、理解と同意に対策委員会を巻き込むのはやめてほしい、と発言した。

DSCN0263.JPG

この発言にフロアからは「それは他の対策委員会も同じ意見か」と声も上がった。対策委員会内で環境対策をまじめに議論することをおもしろくないと思っている村の人がいることを示す一幕だった。JRはこういったやり取りに「オッ」と喜んだだろう。前島さんは、「対策委員会はリニア計画に対する住民の環境と生活への対策を協議する場、それは設置趣旨に明記されている。それを引用させていただいた」と言い返していた。反論はない。

架空送電線にしたい根拠

 それで、残りの人の発言は、新しい移住者の単純な質問から、計画が具体化したことによって生じた新たな懸念や不安、それに白紙撤回やJRの姿勢そのものを問うもの、それに同意はしていないと釘をさすものと、リニアに疑問や否定的な立場から発言するものだった。

 村でのJRの姿勢を示すものとしていくつかの意見を紹介したい。
 一つは住民の中で意見が強かった送電線の地中化要望に対して、新たに中部電力が示してきた地中化工事は予定地の地盤が脆弱なため、地滑り発生の恐れがある、ということを根拠に、リニアのトンネル工事の白紙撤回を求めたもの。

考えてもみれば、鉄塔だろうが電線地中化トンネルだろうが、地滑りの危険があることには変わらない。こういう反論が出るここと自体が、もっぱら経費面からの架空送電線の選択が住民の理解を得にくいことから、結局新たな理由付けを無理やり持ち出してきた、という証拠のように思える。全体としてもともと無理がある計画なのだ。

posted by リニア新幹線を考える登山者の会 at 11:02| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。