2015年09月02日

8月30日現地見学会

かねてから呼びかけていた大鹿村の現地見学会、
この週末は、私たちのほかに、日本山岳会、府中の市民グループと大鹿に入り、
今冬に工事着工が表明された大鹿村への注目の高さが伺えます。
直前には、山梨県側の着工(大成建設との契約)、
大鹿村の住民による工事禁止を求める提訴と、
リニアは紛争とともにGOなようです。
013.JPG
この日はあいにくの雨模様、いつもは見える赤石岳は雲の中。
小渋川は濁流でした。
予定していた前日の小河内沢の遡行は中止しましたが、
青木川を途中まで遡って当日を迎えたわけです。
ちなみに、ここから赤石岳を望む景観は、
リニア工事に伴う送電線の鉄塔と架線によって遮られます。
大鹿風に言うと
「大せき神社の前にシカ柵を張り巡らす」ようで、たいへん罰当たりです。
ウェストン碑を見て、ウェストンがかつて宿泊した家を見て、
村内のメインストリートとその回避ルートについて、解説を受けました。
解説したのは5月20日の集会でも発言した前島久美さんです。
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その後、青木地区に移動。
後方は青木地区に予定されている坑口出口。
完成すると非常口になります。
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青木川沿いの国道(秋葉街道)は1車線の狭いルートで、
橋梁も老朽化しています。
おまけに、青木川の減水がどの程度なのか調査もされていないので、
現在調査を実施中だそうです。なんでそれがアセスに入ってなかったんでしょうか。
それだけでアセスの法的な瑕疵がありそうです。杜撰です。

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その後、上蔵地区の坑口予定地に移動。
中央は大鹿村の発電所で、その奥が坑口予定地となります。
手前の田んぼは変電施設の予定地とされています。
この周辺には、養魚場もあり、
アマゴやイワナを村の宿泊施設に卸している唯一の施設なので、
旅館業にとっては大打撃になります。
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中央構造線博物館では、地質的な観点から、
リニアの路線について学芸員の河本さんに解説を受けました。
バーを置いているのが、リニアのルートということになります。
年々隆起し、地質も入り乱れている南アルプスでの
トンネル工事はとても危険が伴います。
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このお寺は村内にある福徳時という寺で
鎌倉時代にまで遡れる建物の古い由緒あるお寺です。
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境内には生活道路が走っていますが、
ここを工事車輛が通過することになります。
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釜沢地区では地区のサイモンさんに解説を受けました。
実際にリニアの坑口現場にも行きました。
釜沢は南アルプストンネルの起点になりますが、
逆方向にもトンネルが掘られ、静かな生活がどうなるのか、とても不安だと思います。
一大工事プラントに変貌するという報道がなされているため、
すでに今年、村の観光客は減少。
工事の前から工事の被害はもう生じています。

今回、一般に呼びかけたため、10人以上が参加しましたが
登山者以外にも、学校の先生や自然保護団体の方、記者の方も
参加し、いろいろな見方で工事を見ることができてよかったです。


posted by リニア新幹線を考える登山者の会 at 20:23| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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