2015年08月23日

要望書〜ウェストンの歩いた登山道をリニアで台無しにしないでください〜

29、30の現地見学会にあたり
要望書を関係機関に提出しました。


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JR東海社長 柘植康英 様
JR東海リニア中央新幹線長野工事事務所大鹿分室長 上野英和 様
中部電力社長 勝野哲 様
長野県知事 阿部守一 様
大鹿村長 柳島貞康 様

要望書
〜ウェストンの歩いた登山道をリニアで台無しにしないでください〜

2015年8月30日 
リニア新幹線を考える登山者の会

 私たちは、南アルプスを愛する登山者のグループです。
 南アルプスは本州で唯一、山脈を横断する人工物がなく、
その山深さゆえに、自立した登山者を育んできた場所です。
南アルプスの希少な自然と豊かな森は、
私たち登山者にとって他の場所で替えられない価値を持ちます。
私たちはリニア中央新幹線が南アルプスを通過することに反対します。

 JR東海が明らかにしたリニア新幹線の路線とその工事は、
小河内岳直下を通過し、大鹿村釜沢周辺を
工事現場とともに残土置き場予定地にし、
さらに日向休を橋梁で通過します。
 大河原から釜沢を経、小渋川を徒渉して
南アルプスの峰々へと至る登山道は、
日本にヨーロッパの登山を広め、
日本の山岳を世界に紹介した宣教師のウォルター・ウェストンが
1892年に登った伝統あるルートです。
このルートによって当時の登山を現在の登山者はそのまま体験できます。
原生自然の価値を今に伝える希少なルートです。

登山道の起点となる大河原地区から望む
赤石岳を望む景観は送電線で遮られます。
釜沢に至る道路で赤石岳を望む日向休の景観は、
リニアの橋梁で乱されます。
登山の起点となる釜沢は10年間工事現場となり、
湯折に至る道路脇が残土置き場となります。
アプローチが短くなるからといって、
南アルプスの自然を壊すリニア施設を見て
登山を始めたいと思う登山者はいません。
渇水期には8割の減水が予想される小河内沢は沢登りの好ルートで、
雨乞いの滝は、長野県内では最大の落差を持つひょんぐり
(流水が川床を伝わない)滝です。

今回工事現場となるポイントは、それぞれ風光明媚というだけでなく、
麓から山岳を望むという霊山としての山を実感する場所です。
日本の登山は講を組んでの信仰登山が始まりでした。
たとえば、ご神体としての富士山の直下にトンネルを通すような行為は、
人々の信仰を踏みにじるものであり、今回の工事も同様の行為です。

南アルプスは国立公園です。
誰もがその自然の価値を体感できるように、
人の利用と自然の保護は将来に渡って両立しなければなりません。
周辺市町村はそのために南アルプスを
ユネスコエコパークに登録させたはずです。
住民とウェストンとの交歓を後世に伝えるウェストン碑の建立を、
私たち登山者は高く評価しています。

リニア工事の推進・協力は、こういった住民の努力とは逆方向であり、
ユネスコエコパークの理念を損ないます。
リニア新幹線とその関連工事は、河川の水枯れを引き起こし、
山を壊し、登山口の釜沢の風景を台なしにし、
南アルプスの登山の価値を損ないます。
一度壊された自然は元には戻せません。

赤字必至のリニア中央新幹線の公共性は、
人口減少社会の中でますます低下していることが指摘されており、
みんなの財産である南アルプスの価値を損なってまで
なされなければならないものではないはずです。

南アルプスの自然を享受してきた者として
私たちはリニア建設に資する工事の即時中止を求めます。
posted by リニア新幹線を考える登山者の会 at 10:54| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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