保安林解除の異議意見書の提出によって、工事に遅れが出ています。
釜沢非常口の工事予定も、今春から来春へと先送りされていますが、
もちろん、JR東海の見通しが甘かっただけで、
河川工作物の許可取得に手間がかかっている上に、
予定地の保安林解除申請は、先週の段階ではまだなされていません。
そして今回のように保安林解除に時間がかかるなら、
来春の工事着工もなんとも言えません。
もちろん、残土の仮置き場にも、砂防や保安林についての許可が必要です。
さらにJR東海は今回の保安林解除申請について、
松川町生田の残土置き場を残土の持って行き先として地図で明示して
申請をしており、松川町の残土置き場はまだ町長もゴーサインを出していない
段階ですので、候補地として確定ではありません。
確定していない残土置き場を予定地として申請して、
「虚偽申告ではないのか」との質問に、
「予定地があればよい」というのが、地方事務所の見解でした。
そんな理屈通りますでしょうか。
その上、JR東海は保安林指定地とは違う別の場所を
掘削候補地として挙げていたため、
他に変わるべき場所がないことと、という解除の要件も満たしていませんでした。
その場所が取られなかったのは、予定地の事業者の事業に差し支える
とのことでしたが、もちろん、事業者が事業を継続できるだけの補償をしておけば、
保安林をわざわざ切るまでもなかったということです。
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中日新聞 長野
2017年3月30日
保安林解除に遅れ 大鹿のトンネル掘削、県に反対意見180件
http://www.chunichi.co.jp/article/nagano/20170330/CK2017033002000007.html
県は二十九日、大鹿村で進むリニア中央新幹線の関連工事で、トンネル掘削に伴う保安林の指定解除が四月以降に遅れると明らかにした。最短で二十九日に解除される可能性があったが、住民などからの異議意見書が約百八十件提出されたため。保安林解除の遅れなどで、大鹿村の三カ所で予定される非常口の掘削工事も開始時期が遅れる見通しとなった。
保安林解除の対象になっているのは、村で掘削が計画される坑口周辺の二百五十七平方メートル。工事で木の伐採などをするために、保安林指定の解除が必要になっている。
二月に解除予定が告示され、リニア建設に反対する住民団体などが異議意見書を県に提出した。
提出者に保安林解除の利害関係があるなどの要件が確認されれば、県が知事意見書などを付けて林野庁へ提出する。同庁が受理すれば、異議を申し立てた人への意見聴取をし、解除の是非を審査する。
JR東海によると、保安林解除の遅れに伴い、小渋川非常口(上蔵地区)の掘削開始予定が本年度中から四月以降にずれ込むことになった。ヤード整備はほぼ終わっている。保安林の指定が解除されれば、速やかに作業用トンネルの掘削工事に入る予定だ。
残る釜沢、除山の両非常口(ともに釜沢地区)の掘削開始も遅れる。釜沢非常口は、工事現場への進入路を確保するために必要な仮設橋の設置に時間がかかるため、今春から来春にずれる見通し。除山は本年度中から四月以降に遅れるといい、JR東海の担当者は「計画とは時期が違うが、二〇二七年の開業予定に影響を及ぼすことはない」としている。
(今井智文、伊勢村優樹)
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信濃毎日新聞
リニア投資1590億円 JR東海 前年度比4割増
http://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20170324/KT170323ATI090042000.php
JR東海は23日、2017年度の設備投資計画を発表した。リニア中央新幹線では、東京・品川―名古屋間に16年度比約4割増の1590億円を計上、用地買収や建設工事を本格的に進める。柘植康英(つげこうえい)社長は都内で記者会見し「南アルプストンネル、品川駅、名古屋駅といった難工事を本格化させ、軌道に乗せていく」と説明した。
リニア関連投資の増額に伴い、17年度の設備投資総額は4570億円(連結ベース)となり、16年度を340億円上回って過去最大となる見込み。柘植社長は「今後も健全経営を堅持しながら、工事の安全、環境の保全、さらには地域との連携を十分に重視して、計画を着実に進めていきたい」とした。
これとは別に、山梨リニア実験線で続けている超電導リニア技術の開発関連は、16年度より7割ほど増やして50億円とした。
南アルプストンネル長野工区の掘削が遅れていることについて、柘植社長は「早く工事にかかりたいと考えているが、保安林の指定解除がまだ終わっていない。(林野庁に)適切に解除していただいてから工事に着手したい」と説明。「(作業は)若干遅れているが、(2027年開業を予定する)全体の工程に影響を及ぼすことはないと考えている」とした。
(3月24日)
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リニアと暮らし
保安林指定解除、大鹿村民が異議 「安全を優先して」 /長野
毎日新聞2017年3月18日 地方版
http://mainichi.jp/articles/20170318/ddl/k20/020/145000c
リニア中央新幹線南アルプストンネル長野工区の工事に伴う保安林指定解除について、工事現場付近に住む大鹿村民が17日、「保安林を伐採すれば土砂災害を誘発する恐れがある」として、国の指定解除に異議申し立てをした。今後、県や林野庁で内容を審査する。
JR東海は3カ所の作業用トンネル坑口のうち、小渋川非常口周辺の257平方メートルについて保安林指定解除を申請。県は林野庁の審査を受け、2月に解除が妥当とする「解除予定」を県報に告示した。
この日は同村大河原のフリーライター、宗像充さんらが飯田市の県下伊那地方事務所を訪れ、林務課の担当者に全国から集まった120通に上る異議申立書を提出した。宗像さんは「現場は土砂災害警戒区域に指定されている。国や県は住民の命や安全を優先した審査をしてほしい」と要望した。
一方、村議会は指定解除前に住民への説明や同意を得るようJRに求めた住民団体「大鹿リニアを止める実行委員会」の陳情を、反対多数で不採択とした。【湯浅聖一】
2017年3月30日
保安林解除に遅れ 大鹿のトンネル掘削、県に反対意見180件
http://www.chunichi.co.jp/article/nagano/20170330/CK2017033002000007.html
県は二十九日、大鹿村で進むリニア中央新幹線の関連工事で、トンネル掘削に伴う保安林の指定解除が四月以降に遅れると明らかにした。最短で二十九日に解除される可能性があったが、住民などからの異議意見書が約百八十件提出されたため。保安林解除の遅れなどで、大鹿村の三カ所で予定される非常口の掘削工事も開始時期が遅れる見通しとなった。
保安林解除の対象になっているのは、村で掘削が計画される坑口周辺の二百五十七平方メートル。工事で木の伐採などをするために、保安林指定の解除が必要になっている。
二月に解除予定が告示され、リニア建設に反対する住民団体などが異議意見書を県に提出した。
提出者に保安林解除の利害関係があるなどの要件が確認されれば、県が知事意見書などを付けて林野庁へ提出する。同庁が受理すれば、異議を申し立てた人への意見聴取をし、解除の是非を審査する。
JR東海によると、保安林解除の遅れに伴い、小渋川非常口(上蔵地区)の掘削開始予定が本年度中から四月以降にずれ込むことになった。ヤード整備はほぼ終わっている。保安林の指定が解除されれば、速やかに作業用トンネルの掘削工事に入る予定だ。
残る釜沢、除山の両非常口(ともに釜沢地区)の掘削開始も遅れる。釜沢非常口は、工事現場への進入路を確保するために必要な仮設橋の設置に時間がかかるため、今春から来春にずれる見通し。除山は本年度中から四月以降に遅れるといい、JR東海の担当者は「計画とは時期が違うが、二〇二七年の開業予定に影響を及ぼすことはない」としている。
(今井智文、伊勢村優樹)
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信濃毎日新聞
リニア投資1590億円 JR東海 前年度比4割増
http://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20170324/KT170323ATI090042000.php
JR東海は23日、2017年度の設備投資計画を発表した。リニア中央新幹線では、東京・品川―名古屋間に16年度比約4割増の1590億円を計上、用地買収や建設工事を本格的に進める。柘植康英(つげこうえい)社長は都内で記者会見し「南アルプストンネル、品川駅、名古屋駅といった難工事を本格化させ、軌道に乗せていく」と説明した。
リニア関連投資の増額に伴い、17年度の設備投資総額は4570億円(連結ベース)となり、16年度を340億円上回って過去最大となる見込み。柘植社長は「今後も健全経営を堅持しながら、工事の安全、環境の保全、さらには地域との連携を十分に重視して、計画を着実に進めていきたい」とした。
これとは別に、山梨リニア実験線で続けている超電導リニア技術の開発関連は、16年度より7割ほど増やして50億円とした。
南アルプストンネル長野工区の掘削が遅れていることについて、柘植社長は「早く工事にかかりたいと考えているが、保安林の指定解除がまだ終わっていない。(林野庁に)適切に解除していただいてから工事に着手したい」と説明。「(作業は)若干遅れているが、(2027年開業を予定する)全体の工程に影響を及ぼすことはないと考えている」とした。
(3月24日)
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リニアと暮らし
保安林指定解除、大鹿村民が異議 「安全を優先して」 /長野
毎日新聞2017年3月18日 地方版
http://mainichi.jp/articles/20170318/ddl/k20/020/145000c
リニア中央新幹線南アルプストンネル長野工区の工事に伴う保安林指定解除について、工事現場付近に住む大鹿村民が17日、「保安林を伐採すれば土砂災害を誘発する恐れがある」として、国の指定解除に異議申し立てをした。今後、県や林野庁で内容を審査する。
JR東海は3カ所の作業用トンネル坑口のうち、小渋川非常口周辺の257平方メートルについて保安林指定解除を申請。県は林野庁の審査を受け、2月に解除が妥当とする「解除予定」を県報に告示した。
この日は同村大河原のフリーライター、宗像充さんらが飯田市の県下伊那地方事務所を訪れ、林務課の担当者に全国から集まった120通に上る異議申立書を提出した。宗像さんは「現場は土砂災害警戒区域に指定されている。国や県は住民の命や安全を優先した審査をしてほしい」と要望した。
一方、村議会は指定解除前に住民への説明や同意を得るようJRに求めた住民団体「大鹿リニアを止める実行委員会」の陳情を、反対多数で不採択とした。【湯浅聖一】