よくわかりませんが、同意したからと言ってスムーズに進むわけでもありません。
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リニア着手、大鹿村同意 南アトンネル 県内初、本体工事
大鹿村議会との協議の冒頭であいさつする柳島村長(右奥)=21日午前9時5分、村役場大鹿村議会との協議の冒頭であいさつする柳島村長(右奥)=21日午前9時5分、村役場
2027年東京(品川)―名古屋間の開業を目指すJR東海のリニア中央新幹線計画を巡り、下伊那郡大鹿村の柳島貞康村長と村議会は21日午前、村役場で協議し、県内初の本体工事となる南アルプストンネル長野工区(8・4キロ)の工事着手に同意すると決めた。村側は協議後、電話でJR側に伝えた。同社は「地域の皆さまにはご理解を深めていただけたと考え、工事を始めさせていただく」(広報部)と表明した。
JRは11月1日に村内で安全祈願式を開き、準備工事に取り掛かる方向で調整を進めている。リニア計画で最難関とされる南アトンネル(全長約25キロ)は長野、静岡、山梨3県にまたがる。山梨工区(7・7キロ)は昨年12月に起工しており、長野側からも掘削のめどが立ったことになる。
村議会が冒頭以外非公開で開いた協議には村議全8人が出席。柳島村長と共に、南アトンネル長野工区の工事開始について同意の可否を議論した。柳島村長は全会一致が望ましいとしていたが、採決となり、議員側は議長を除く7人中、賛成4人、反対3人の賛成多数で同意を決めた。
約2時間の協議を終えた柳島村長は「確認書や住民説明会で住民の不安は低減された。村内には工事に対し賛成、反対さまざまな声があるのは承知している。村民の皆さんは心を一つにしてご協力いただきたい」と述べた。熊谷英俊議長は「JR東海に村民から要望する中、環境負荷の低減をある程度勝ち得た。議員はそれぞれの意思を表明する中で議会は同意を支持することになった」とした。
JRが14日に開いた2回目の全村民対象の工事説明会では出席者から異論もある中、JRが「住民理解を得た」と結論付け、17日に工事着手の意向を正式に村側に伝達。19日には工事用車両の運行ルートなどをまとめた確認書を同社と締結、内容を公表した。
村議会は今月3日、工事は村議会と村長が「工事開始への同意」を表明した後に行うなど8項目の意見書をJR側に提出し、JR側も尊重すると回答していた。21日の協議はこれに基づいた手続きで、確認書締結からわずか2日間での同意となった。
大鹿村ではリニア本線のトンネル2本の掘削工事で約300万立方メートルの残土が発生する見込み。1日最大1736〜1350台の工事用車両が生活道路を通行する。JRによる14日夜の工事説明会では、生活環境を脅かされるとの懸念に加え、「住民理解」の捉え方を巡り、工事に反対の意見があるにもかかわらず「理解が進んだ」とする同社の姿勢に村内から批判も出ていた。
反対派住民でつくる「大鹿リニアを止める実行委員会」は21日午前の村長と村議会との協議前、確認書締結を「結論ありきの拙速な手続き」として抗議し、工事開始の同意に反対する意見書を柳島村長らに提出した。
(10月21日)