2015年09月03日

大成建設と南アルプス

リニアへの現地見学の直前、ニュースで山梨側のリニア工事の着工が公表されました。
実際には契約締結なので、工事はまだ先です。

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■産経2015.8.27 19:55

JR東海、リニアを本格着工 大成建設など最難関の南アルプストンネル施工へ

http://www.sankei.com/economy/news/150827/ecn1508270031-n1.html

 JR東海は27日、平成39年に東京(品川)−名古屋間の開業を目指すリニア中央新幹線について、同日、本格着工したことを明らかにした。最難関とされる南アルプスを貫く大トンネル(総延長25キロメートル)の一部で、大成建設などの共同企業体(JV)と契約を結んだ。工期は平成37年10月末までの約10年間。(略)

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と言っておきながら水を差しますが、
さらに実際には、山梨県側はボーリング調査と称して、
パイロットトンネルの試掘がすでになされています。

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すでに南アルプスには穴が開いています。残念なことですが。

IMG_0082.JPG
その上、周辺は山梨県の景観保全地域に指定されていますが、
ずっと以前に山梨県に聞いたときには、規制をかける類のものではなさそうでした。
(写真は周辺の渓谷の様子です)

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今回工事を受注した大成建設は、山梨県側の工事を請け負うだろうと
ぼくも以前に聞いたことがありました。

大成建設は、戦前の財閥の大倉財閥の会社です。
山に詳しい人なら、1926年(大正15年)に、
財閥を築いた当時88歳の大倉喜八郎が
赤石岳に登ったエピソードを知っている人もいるでしょう。

大蔵が作った東京経済大学のサイトに紹介されていたりします。

彼が登った赤石岳東尾根は、それにちなんで大蔵尾根と呼ばれたりもします。

IMG_1066.JPG東尾根から見た赤石岳

余談ですが、当時の登山の様子は映画に撮られ、
現在NHKで映像が保管されています。
以前、NHKで番組作りの仕事をしていたときにその映像を見たことがあります。
山頂で万歳三唱をする大蔵ら一向の様子が早回しの画像におかしかったのですが、
今考えると、とても貴重な映像を見たことになります。

なんで大倉が赤石岳に登ったかと言うと、自分の土地だったから。
登山基地の椹島周辺の広大な山林は大倉の作った製紙会社の持ち物で、
今はその流れをくむ、東海特殊製紙の所有林で、
子会社の東海フォレストが管理しています。
日本最大の私有地で、山手線の4倍の面積があります。
IMG_0924.JPG
登山基地の椹島は、東海フォレストのリムジンバス利用で
登山者は入るのが普通です。

写真真ん中が椹島の登山小屋、一番奥はJR東海の
アセスの際、アセス会社の宿舎になった小屋。

周辺の山小屋も東海フォレスト管理のものがあります。
一帯はかつて皆伐に近い形で伐採されたそうですが、
現在は森林保全が図られ、会社も環境への配慮をうたっています。

武器商人でもあった大倉は、明治政府が戦争をする度に
鉄砲を調達して財をなし、森林を管理していた徳川幕府の家臣筋から
森林を購入したとネットではのっていたりします。

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さわら島には、大倉喜八郎の記念碑があったりします。
つまり、森林を切ったのが大倉財閥なら、保全したのも大倉グループ。
それでリニアの工事で穴を掘るのも大倉グループ。
なんだか自分の土地をグニョグニョしていればお金が生まれるわけで、
あんまり見ていていい気持ちはしません。

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椹島には、山岳写真家の白籏史郎さんの、写真館もあります。
白籏さんは、東海特殊製紙のカレンダーを毎年作っています。
森林保全には口うるさくて、リニアにも反対ですが、
東海特殊製紙の人に、いい写真をとってくれという注文に、
「伐採地が構図に入るから撮るのが難しい」と言い返したこともあるそうです。

昨年12月、東海特殊製紙とJR東海は、工事受入れの基本合意に至っています。
■静岡新聞2014/11/29

東海特殊製紙の三澤清利社長は、山林維持が累積赤字事業だったことを述べて、
「ある意味で“千載一遇”のチャンスが来たと思っている」と述べたそうです。

会社は慈善事業ではないのでしょうから、発言はある意味正直ですが、
金がある人もない人も、金、金、金、というのが
やっぱりリニアの本質かもしれませんね。

posted by リニア新幹線を考える登山者の会 at 21:47| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年09月02日

「JRで行く南アルプス」ツアー

IMG_4082.JPG
最近、JRの構内には、表題のポスターが貼ってあります。
北アルプスに比べると知名度もアクセスも一段劣る南アルプス。
JRで行った先でもバスを乗り継いだりとけっこうな道のりなので、
こういう企画に涙ぐましい努力は感じるかもしれませんね。
ちなみに伊那谷の人はもっぱら利用はJRではなく高速バスが主流のようです。

これが2027年以降は「リニアで行く 南アルプス」
なんてポスターが登場するとしたらげっそりです。
銭勘定でなんでも考えるから、必要もないリニアを南アルプスに通す。
それで観光客を呼び込むとしたら天に唾する行為でしょう。

「近くてよい山」が谷川岳なら
「遠いからよい山」が南アルプスというのが
これからのトレンドかもしれませんね。
ていうか、「リニアで南アルプスに行かない」でしょ。
え、JRで南アルプスにも行きたくない?
posted by リニア新幹線を考える登山者の会 at 21:02| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

31日の申し入れ

現地見学会の翌日31日の月曜日10時に
前島さんとJR東海の現地事務所に要望書の件で話しに行きました。
事前に郵送しましたが、前日の現地見学の折にも
事務所は不在でしたがドアの隙間に要望書を挟んで置いておきました。
ちなみに事務所は7月から開設していますが、いまだにポストがないようです。

事前に4回アポをとるために電話したのですが
4回とも「ただいま電話がたいへん込み合っています」との返事。
しかたがないので事務所に直接行くと、社員の布施谷さんが玄関口に出てきました。
それで、筆者がライターと名乗り、前島さんが取材で来たと言うと、
「取材は名古屋の広報を通してほしい。受けないわけではないので手続きを経てほしい」
という返事でした。

別に要望は会のメンバーとしてしているだけで
ライターの仕事として来ているわけでもないですが、
JR東海は、身分を名乗っていない電話問い合わせを記事にした件で
知り合いのジャーナリストを一人取材拒否した過去があります。
(ちなみにその方は「ジャーナリストです」と名乗ったと言います)
互いのトラブルの防止のために電話での会話には録音が必要なのかもしれません。
揚げ足を取られるのは嫌なので、わざわざ必要もないのに名乗ったら、
案の定、こういう対応でした。

なお、筆者も経験済みですが、
リニアのことが雑誌などで記事になると、
JR東海の広報の方が、わざわざ雑誌社に複数で出向いて
(一人や二人ではないそうです)「ご説明」に上がります。
それでリニアに慎重な記事を書くのを手控えた雑誌も知っています。

ジャーナリズムだと思うと頭に来ますが、
商業誌だと思うとせいぜいその程度かもしれません。
その辺、JR東海の広報部はよくわかっていますし仕事熱心です。
また、たしかに質問したことについては答えてくれます。
ですが、時間がかかったりと煩雑な部分はたしかにあります。

布施谷さんには、
申し入れの答えを聞きに来た人間が、たまたま雑誌の仕事をしていたり、
ブログを書いていたりしたら、話を聞かないというのか、
住民の理解を得るために、分室を設けたはずなのに、
そういう対応は失礼だろう、と一通り苦情を言いました。

登山者も、登山は生活の一部なのだから、
生活を脅かされているのは住民と同じ、
登山者にも説明会を開いてほしい、と要望して
引き上げてきました。

前島さんは、以前はこういう対応はされなかったそうなので、
ブログ等ちょっとでもやり取りを書くと、目の前に事務所があっても
話は名古屋の人としてからということになるわけです。

前島さんは、村のリニア対策委員会にも出席しているそうですが、
今後は委員会でもいったん携帯え名古屋の人に電話をしないと
目の前にいるJR東海の人に質問できないということになります。
「手続きは守ってほしい」そうなので、これはしっかりしないといけませんね。

ついでに電話に出ないのは「電話で話していた」、
ポストがないのは「据え付けるネジがないから」という説明でした。
外からの要望を受け止める事務所ではないようです。(宗像)
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解説をする前島さん。
後ろはリニア工事と村の対応に不安を感じて
引っ越しして売りに出された喫茶店。
posted by リニア新幹線を考える登山者の会 at 20:49| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする